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空想科学世界

猫・特撮・感想・料理。長年ヲタクと腐女子を患っています。
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*2011.04.14 (Thu)... 好きで好きで好きで
★好きで好きで好きで★



高遠琉加 著


~あらすじ~
花屋に勤務する三浦には、高校卒業直前に同性のクラスメイトに告白してふられた事がある。
その事が辛すぎるあまり、記憶にふたをして5年を過ごしていた。
ある日、いつも通り花屋で仕事をしていると、オーナーの娘の恋人という男が仕事帰りに立ち寄った。その男こそ、5年前に強烈な片思いをしていた相手・堂島だった。
記憶にふたをし、無かった事にしようと努めるが、堂島を好きだと想う心が大きくなるばかりで・・・。


せっつねーーーー。

アタシの心が今よりもっともっとやわらかくてお花畑ちゃんだった頃に読んだらめっちゃ泣いたかもなー。
今のアタシすっかり心が硬くなっちゃって「せつねー!!!」とは思うけど泣くほどでもないんだよなぁ。・・・時の流れは残酷。

昔、リーフで出てて、今はルビーで文庫化してます。
アタシは今回ルビー版を読みました。
3部構成になっています。

アホほど長いんでたたみます。





「好きで好きで好きで」は受けの三浦視点なんですが、ラストシーンが切なくて辛くて超くじけそうになっちゃうよ・・・。



高校生の時、弓道姿の堂島に目を奪われ、彼が風邪で学校を休んだのをきっかけにつるむようになり、ただ高校時代の淡い片思いだけで居られた時期を経て、卒業間近。
堂島宅に遊びに行き、告白をしたら「考えられない」ときっぱり断られる。
心が粉々になって、卒業するまで堂島の全てを避けた。

会社勤めが肌に合わず、花屋でバイトを始める。
花を買うお客さんの笑顔に触れ、花屋を一生の仕事にしようかなと思い始めた矢先、オーナーの娘の恋人として堂島が来店。

読んでると、この辺で既に息苦しくなってくる・・・。

今もまだ堂島が忘れられずに居る三浦だったが、堂島はただの同級生として接してくる。それに合わせるしかない三浦。

同級生だと知って、花屋の主人一家は好意で度々二人同時に夕飯に誘うようになる。
仲睦まじそうな娘さんと堂島を見るのが辛くてたまらないのに、例え自分に向けられたものじゃなくても堂島の笑顔が見られる事の方が嬉しくて、オーナーの誘いを断れない。

自分の想いは誰の事も幸せにしないと分かるから、恋心を表に出さないようにしていたのに、娘さんに対する嫉妬に耐えられず、逃げるように店をやめる。
すると堂島は花屋をやめた理由を聞きに、三浦のアパートまで訪ねてくる。

三浦は泣きながら「好きでごめん、消えてなくなりたい」と訴えると、堂島は「区切りがつくなら、1度だけ俺と寝てみる?」と告げる。
同情で抱いてもらったって、あとで絶対後悔して惨めになるだけだと分かっているのに、三浦は堂島と寝てしまう(でも挿入はなし)

後日、仲良さそうな娘さんと堂島を偶然見かけた途端、「どうして自分で自分の恋を大事に出来なかったんだろう」と自分の浅慮とあまりの惨めさと後悔とでボロボロ泣くしかない三浦。

ここ!!
ここで三浦視点のお話が終わるんです!!!
これで終わられたらくじけそうでしょ?
実際くじけかけたの、ホント。

この時点で堂島最低だなーとか思わなくもないんですが、それ以上に三浦が切なくて!
娘さんには非が無いから恨むことも憎む事も出来なくて、ただ堂島が好きで好きで好きでたまらなくて、でもその気持ちですらどこにも行けなくて、とにかく苦しくて、これでもか!!っていうほどの片思い。
めちゃしんどい。





「ラブソングみたいに」は攻めの堂島視点。

恋はあると嬉しいけれど、無くても困らないケーキみたいなものと思っていて、「いつか自分だけの家庭を作ろう」と、漠然と考えているのが堂島と言う人間。
なんと言うか、恋愛事にことさら疎くて感情に鈍感と言うか・・・。

三浦の高校時代の告白も、自分の中で「親友」にカテゴライズしていた人間だったから「恋愛は考えられない」と告げただけ。
再会して「もう5年経ったし忘れてるだろ」と思っていたら、時々三浦の視線を感じて「三浦はまだ俺を??」と思いつつも「自意識過剰かな」と深く考えず。
・・・考えろよ!!


花屋の娘のそばに居ると、凪いだ湖面のように心が揺れない穏やかな安らぎがあるから、「結婚してもいいかな」位に思っていて。
でもそれって「なんとも思ってない」とイコールだと言う事に全然気づいてなくて。

三浦が花屋をやめて、やっぱり自分をまだ好きなんだと確信。どうしてか、三浦に優しくして傷つけてやりたいと思い、「俺と寝る?」なんて言っちゃって。
三浦に触りながら「かわいい」とさえ思うのに、これでお互い忘れられるだろとか簡単に思っちゃって、冷血にも程があると言うか・・・。
「悪気が無い」=「悪いと思ってない」の最悪パターン。

花屋の娘が「喧嘩してるなら仲直りしなよ」と三浦が新しく勤めている花屋を教えてくれた。
覗きに行き、お客さんや店長に向かって笑顔で仕事しているのを見た途端、
「吹っ切るの早すぎる!」とか
「笑顔になるな!」とか
「俺の腕の中で顔真っ赤にして泣いたくせに」とか、もう嫉妬と独占欲とでグチャグチャになる。

特に「笑顔になるな」は相当だと思うんだが、この時点でも自覚が無いって鈍感にもほどがあると言うか。

お使いに出てきた三浦を捕まえて、さっきまでのグチャグチャの感情のまま「俺今度結婚するんだ。結婚前にもう1回寝る?」と持ちかけ、三浦に叩かれて「お前そんなやつだったのか」軽蔑される。
ザマァ・・・www

そこでようやく目が覚め、自分の気持ちとまじめに正直に向き合い、花屋の娘ときちんと別れ、三浦に改めて自分から告白してめでたしめでたし。

まあ、三浦は同じ相手に2度完膚なきまでにふられているので、堂島の「好きだ」をなかなか信じないんですが、そりゃコレまで三浦にしてきた事を思えはそれくらい当たり前だろと。

自分の恋愛感情だけに限らず、あらゆる感情と言ってもいいかもしれないくらい、とにかく「気持ち」と言うものに無頓着で鈍感な男。
そんな男を好きになってしまったがばかりに三浦は傷ついてばかりだったけど、最後は報われて良かったね。



「君がしあわせになる前に」は二人のその後。
名古屋に転勤になった堂島についてって一緒に暮らすんだって。
実はかなりの激情家だからこそ、本能で抑えつけてたのかもしれないな~と、その後の寂しがり屋でくっつきたがりの堂島を見て、ちょっと思っちゃいました。




感情移入するタイプの人は、三浦に同調して、ストレス発散できるほど泣くかもです。
アタシは第三者目線で入り込んで疲れたよ・・・。
でも面白かったよ!


妄想キャスティング。
三浦はそうだな~、ずっとずっと切ない片思いしてて、息が詰まるような泣き演技とか要求されると思うんだよなあ・・・。
声はそんなに高くなくていいけど、この手の幸薄そうな受けって鈴木千尋さんとか野島健児さんとか武内健さんとか、あのラインな気がするんだよなぁ。
モノローグ多いから、上手い人じゃないと無理だと思うお!
堂島は、感情に疎いけどおバカさんではないし、ただまじめが過ぎるんでなぁ・・・。
杉田智和さん、前野智昭くん、あたりかなぁ~。

二人とも23歳設定なので、アラサー声優で固めてみました。

年齢考えなくて良いんなら、堂島は絶対三木さんがいい。これは鉄板でそう思う。
でも三木さんに23歳は酷だと思う。

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