*2010.12.01 (Wed)... 青少年健全育成条例改正案

以前も書いたのですが、東京都青少年健全育成条例改正問題ってご存知でしょうか？

前回の記事はこちら→★

6月に否決された東京都の青少年育成に関する条例の改正案ですが、再提出されました。

前回は、「設定年齢が成年でも、見た目が18歳未満に見える人物が性交渉・暴力行為をしていたら規制（乱暴な言い方ですが）」でした。
例：セーラームーンのちびうさは、設定年齢９００歳だけど見た目が子供なので戦闘シーンは規制

ですが今回は、「18歳未満はもちろん、年齢は問わず法的に婚姻できない関係での性的表現・法律で禁じられている行為をしている漫画、アニメ、映像作品は規制（実写は除く）」と言う内容に変わっています。

法的に婚姻できない関係＝同性愛・3親等間・重婚・不倫・教師と生徒などの表現が一気に規制されます。
つまり、ＢＬ・ＴＬ・ＧＬ・レディコミが軒並み規制対象です。

法律で禁じられている行為＝現代日本の法律を、戦国時代や幕末・架空の世界を舞台にしたフィクション作品にもあてはめて規制。
つまり、ルパン３世は窃盗罪・ワンピースのゾロは銃刀法違反を犯す犯罪者なので規制。

まるで、描くな作るな創造するなと言っている様な条例案だけでも腹立たしいのに、今回は更に、子供に与えるＰＣや携帯のインターネットフィルタリングを保護者に強制させるので、親の方針でそれをしないなら届出が必要と言うのです。
要は「家庭教育」に行政が介入しよ うとしています。

実際に性的被害や暴力行為を受けている人を救済も出来ないで、漫画やアニメ、映画 などの表現媒体を規制して「これで安心だよね」って絶対おかしいだろ？

こんな条例案出す前に、児童相談所の職員数増やした方がよっぽど現実的で建設的だと私は考えます。

今実際に虐待されたりいじめられてる子供が、心のよりどころにするのが漫画でありアニメだと思うんだ。
現実逃避のはけ口って絶対必要。
それが無くても生きていける子はそれでも良いけど、そうじゃない子はたくさん居る。
壁にぶつかって壊れるくらいなら、回避する方法だってある。
その手助けが表現媒体にあるとアタシは思ってる。

「性に対する無知」は、イコール「自己防衛不可能」につながる。

「１８歳未満禁止」「規制」「大人になったら分かるわよ」は、結局子供にとって何の解決策でもないし、ただ不安を煽るだけの言葉。

「大人になったら分かる」と言われた事を、大人になる前に不本意な形で味わう羽目になる子も居る。
そんな子が、自分と同じ境遇の主人公が前向きに生きる姿を読んで癒されないわけが無い。
漫画やアニメがカウンセリングになる子供もいっぱい居るはず。

とにかく何でも規制すれば、健全に成長していけると思っている方がどうかしている。

もう何年も前になるけど、幕張メッセでの大きなイベント（主催は赤ブーで８０００ＳＰ募集規模）が当日いきなり中止になった時に警察署が言った「少年ジャンプは１８禁！」っていうトンチンカンな拡大解釈が語り草になっているが、この都条例が可決されたら、コミケ前日に同じことが引き起こされてもおかしくない！

だって東京ビッグサイトの大株主は、　東　京　都　なんだもん。

東京都がダメって言ったら今後都内での同人イベントはほぼ開催不能になるよ・・・。

ちなみに、石原都知事はこの条例に反対している漫画家さんたちを相手に
「夫婦の性生活みたいなのを漫画に描くことが子供たちに無害だっていうなら、バカだね、そいつら。『頭冷やしてこい』と言っといてくれ」　というコメントをしたそうです。

「この世のお父さんとお母さんはすべからく有害だと、都知事が言った」と、拡大解釈していいですか！？


アタシの拙い頭では、こんなブログを上げるので精一杯です。
普段漫画を読まない人にも、是非知ってもらいたい問題です！

詳しいことは、以下のＵＲＬを参考に。

●東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト
http://mitb.bufsiz.jp/

●コラム・山崎マキコの時事音痴「子供にとっての性的世界」
http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/onti/100902/index.html